九州の南部には、五ヶ瀬ハイランドスキー場という人気スポットがあります。こちらは標高が高い場所に位置しており、人口雪ではなく天然雪の上を滑りたいという九州のスキーヤー達の間で極めて高い人気を誇ってきました。
かつては自家用車で向かうのが一般的でしたが、今では日帰りバスツアーに参加する事で気軽にアクセスできるため、九州の人々の間で注目を集めています。
九州の事をほとんど知らない人の中には、緯度が低いためこの地域にはスキー場など一つも存在しないと思っている人も多いと言われます。しかし、実際にはまったくそんなことはありません。雪とは緯度が低めでも標高が高ければ降るもので、例えば沖縄に近い屋久島では冬季にたくさんの雪が降ります。
そして、九州本土においても内陸部の標高が1000mを超えるような場所では真冬に雪が降ります。そういった積雪量が多い地域には幾つかのスキー場があります。
ここからは、人工芝スキー場を除いて九州内に存在する各スキー場の概要や特徴を紹介していきます。まず日本海に近い北部エリアでいうと、福岡県からもほど近い佐賀県北東部に「天山スキー場」というスポットがあります。
こちらは標高900mから700mくらいの低い場所に位置する人口雪系のスキー場になります。規模は小さいもののアクセス環境が良くてオープン時期も早いため、九州北部エリア在住者の間では人気です。ちなみに、オープン日は例年11月初旬あたりです。
続いて、大分県と熊本県の県境となる場所には「九重森林公園スキー場」があります。所在地は大分県玖珠郡九重町です。こちらは標高1200m前後の山奥に位置しており、人工雪と天然雪を併用しています。真冬であれば降雪量が多いため、九州北部在住者の中で人口雪ではなく天然の雪に触れたいというような方におすすめと言えます。
最後に、九州南部エリアに唯一存在するのが「五ヶ瀬ハイランドスキー場」です。こちらのスキー場の所在地は宮崎県西臼杵郡の五ヶ瀬町で、ゲレンデは標高1600mから1300mあたりの場所に広がっています。日本最南端のスキー場として、西日本地域ではよく知られているスポットです。
五ヶ瀬ハイランドスキー場は、九重森林公園スキー場よりも標高が高くて積雪量が多いため天然雪の上を滑走したい人には絶好の存在です。スキー場の規模も九州内で最も大きく、多数のコースが用意されています。上級者から初心者まで楽しめるだけでなくファミリーゲレンデもあり、子供に本物の雪を見せてあげたい家族連れにもおすすめです。
ファミリーゲレンデでは雪遊びができる他、ソリのレンタルサービスもあります。メインの「パラダイスコース」は最長滑走距離が1000mで、標高差は約200mになります。そんなに標高差がなくて傾斜も緩いため、中級者だけでなく初級者でも十分チャレンジできるコースとなっています。
また、真冬に短期間だけ解放される最大傾斜約30度のコースに関しては、上級者の間で極めて高い人気を誇ります。その他、スノーボーダー向けのエリアも充実しているため、スキー客・スノーボード客両方の人気を集めています。
営業期間は例年12月中旬から3月初旬あたりまでになります。
冬季は一年の中で最も空気が澄む時期です。五ヶ瀬ハイランドスキー場において、リフトで一番高いところまで行くと、晴れた日であれば頂上付近から九州の景色を一望できるのも魅力と言えます。具体的には九州本土最高峰の九重山(大分県/標高約2000m)や、活火山として有名な熊本県の阿蘇山、宮崎県最高峰の祖母山(標高約1750m)などを見渡す事が可能です。
さらに、山の向こうに広がる九州の海まで見る事ができますので、このスキー場まで来た場合は是非リフトで一番上まで上がってみてください。
五ヶ瀬ハイランドスキー場の敷地内には、ゲレンデを臨みながら食事を楽しめるテラス席も設けられたレストランが用意されています。こちらでは、どのスキー場でも人気が高いカレーをはじめとして豚汁など温かいメニューを色々と提供しており、どのメニューも来客に好評です。
また、施設内の売店ではスキー・スノーボード関連商品だけでなく五ヶ瀬町の特産品も販売されており、お土産を買っていくには最高の場所となっています。
五ヶ瀬ハイランドスキー場は、熊本県西部を走る九州新幹線の駅からは約50kmの距離が離れています。
そのため、九州各地から新幹線で日帰りスキーをしに行くのは困難です。しかし、山奥のスキー場ながらバスを利用すれば意外と短時間で着くという側面も持ち合わせています。
バス会社の中には、九州の人達の「身近な場所でスキーをしたい」という需要に応えるため、日帰りバスツアーを企画しているところがあります。そのツアーに参加すれば、これまで飛行機に乗って泊りがけの旅をしていた人も気軽にスキーを楽しみに行く事が可能です。
具体的な出発地としては近隣地域から九州北部まで様々で、例えば熊本市中心部を出発地点とするバス・スキーツアーは4000円前後で参加できます。その他、鹿児島・福岡などある程度距離が離れた場所でも、安い時期であればツアー料金はわずか5000円前後です。
なお、鹿児島や福岡からは、高速道路にて五ヶ瀬ハイランドスキー場の約30km西まで来る事が出来るため、意外と早く到着します。距離的に近い熊本市から来る場合、朝9時30分頃に着いてから夕方4時30分頃まで、なんと7時間も滞在していられます。
例えば、バスのスキーツアーはガイドさんのあとを参加者がついていくような観光ツアーとはまったく性格が異なります。朝にスキー場に着いてからは完全にフリータイムのため、どう過ごすかは参加者次第です。日帰りのためできるだけ長く滑走したい場合は、小休止を挟んでずっと滑り続けているのも良いでしょう。
食事は行きや帰りのバス内で摂ればOKです。また、頂上からの景色を楽しむ時間を長くとるのも良いと思います。その他、体力がなくて長く滑り続ける事ができない場合は、近くの集落を散歩する時間を作って非日常体験を楽しんでみるのも良いかもしれません。
沖縄県内にはスキー場が一つもありません。そんな中でスキーをしに行きたい場合は、飛行機に乗って遥か遠くまで行かなくてはなりません。しかし五ヶ瀬ハイランドスキー場は沖縄から近距離のため、3連休を利用し、2日目にこちらまでバスで向かう2泊3日の旅を計画してみるのもおすすめです。
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